2025年06月12日

【管理栄養士監修】ファスティングは体に悪い？リスクや安全に行う方法を解説

ファスティングについて詳しく知りたい方は、こちらのファスティング関連記事一覧をご覧ください。

健康や美容のためにファスティングを取り入れる人が増えていますが、本当に体に良いのでしょうか？

誤った方法で行うと、体に悪影響を及ぼす可能性も。この記事では、ファスティングが体に与える影響や、安全に行うためのポイントを解説します。

ファスティングが身体に悪いと言われる理由

ファスティングは誤ったやり方を行ってしまうと、身体に悪影響を及ぼしてしまうことがあるため、身体に悪いと言われることもあります。

ここでは身体に悪いと言われる主な理由を解説します。

ファスティングが身体に悪いと言われる理由①：栄養不足になる

ファスティング期間中は断食を行う日があります。断食中は固形物を摂取できないため、正しいやり方で行わないと栄養不足に陥ることがあります。

必要な栄養素を十分に摂取できないと、体調不良や免疫力低下の原因になります。特に、ビタミン、ミネラル、タンパク質は意識して摂取する必要があります。ファスティング中は、食事制限によってこれらの栄養素が不足しがちになります。

ビタミンは、体の機能を正常に保つために不可欠な栄養素です。ミネラルは、骨や歯の形成、神経の働きなどに必要な栄養素です。タンパク質は、筋肉や臓器、皮膚などの構成成分であり、生命維持に欠かせません。

また、忘れてはいけないのは、断食中も最低限の糖質を補給しなければならないことです。糖質が不足すると、低血糖症状による体調不良を引き起こしたり、エネルギー不足により筋肉量の減少につながってしまいます。

栄養不足を防ぐためには、ファスティング中に専用のドリンクやサプリメントを利用することが有効です。これらの製品は、必要な栄養素をバランス良く含んでいるため、手軽に栄養補給できます。

ファスティングが身体に悪いと言われる理由②：筋肉量の減少する

断食中は、体はエネルギー源として筋肉を分解しやすくなります。これは、体内の糖質が不足すると、筋肉中のタンパク質を分解して糖を作り出すためです。筋肉量の減少は、基礎代謝の低下につながり、リバウンドしやすい体質・脂肪がつきやすい体質になる可能性があります。

基礎代謝とは、運動していない時に消費するエネルギーのことです。筋肉量が多いほど基礎代謝が高くなり、脂肪がつきにくい体質になります。ファスティングによって筋肉量が減少すると、基礎代謝が低下し、以前と同じように食事をしていても太りやすくなってしまいます。

筋肉量の減少を防ぐためには、ファスティング期間中に適度な運動を行うことが重要です。軽いストレッチやウォーキングなど、無理のない範囲で体を動かしましょう。また、断食中に最低限糖質を摂取することで、筋肉を分解してエネルギーを確保することを防ぐことができます。

過ごし方や、食べ物・飲み物などを考えながら、計画的にファスティングを行うことが大切です。

ファスティングが身体に悪いと言われる理由③：血糖値が急激に変動する

ファスティングは、正しく行わないと血糖値の急激な変動を起こしやすくなります。血糖値が急激に下がることで、激しい空腹感に襲われ、断食の妨げになったり、暴飲暴食を引き起こす原因となります。また、血糖値の急激な上昇は、血糖値の急落の原因となり、回復期で引き起こすとリバウンドの原因となります。

血糖値の急激な変化を防ぐためには、ファスティング専用のドリンクを使用したり、スムージーや甘酒など糖質を確保しやすい飲み物をこまめに摂取し、血糖値を安定させる必要があります。また、準備食や回復食に低GI食品を取り入れることで、血糖値の急変動を防ぐことができます。

特にファスティング専用の酵素ドリンクは、原材料によって異なりますが、低GIで血糖値を安定させやすくおすすめです。

ファスティングのメリット・デメリット

ファスティングを正しく行うと、身体に得られるメリットが多くあります。その反面、不適切なやり方をしてしまった場合のデメリットの方が目立ってしまいます。

ファスティングのメリット・デメリットを理解し、ライフスタイルに取り入れる必要があるのかどうか判断する必要があります。

ファスティングのメリット

メリット①：消化器官を休めることができる

断食を行うことで、固形物を摂取しない時間があり、消化する必要がなくなるため、消化器官を休めることができます。

人間が生活していく中で、食事は必ず必要です。食事をしない日がないということは、常に消化器官が働いていることとなります。消化器官も人間と同じように働き続けると、疲れて動きが悪くなっていくため、休ませることで固形物の消化効率や栄養の吸収効率が回復すると言われています。

メリット②：デトックスを促すことができる

人間は、固形物を消化する過程で、アンモニアなどの毒素を発生させます。消化で発生した毒素は、排泄や汗を通じて体外に排出されていきます。

断食を行うことで、消化を行う必要がなくなり、毒素を生み出すことがなくなります。また、身体全体が消化モードから代謝モードへ切り替わります。代謝モードに切り替わることで、身体に蓄積された毒素の排出に力を入れることができるようになります。

身体に毒素が蓄積されることで、肌のトラブルや腸内環境の悪化、消化不良や便秘を引き起こす原因になります。

メリット③：ダイエット効果がある

断食を行うことで、固形物の摂取を制限しますので、1日の摂取カロリーが減ります。また、断食中は身体に蓄えられた糖質から使用されますので、糖質に含まれている水分がなくなり体重を減少させます。1日断食を行うと、平均で0.5〜1kgほどの減量効果があります。

しかし、この減量はあくまで一時的なものです。本当のダイエット効果は、脂肪そのものをエネルギーとして使い始めるようになる、2日以上の断食を行った場合に現れます。

一度に長期間の断食を行うことは、身体への負担が大きいため、定期的に継続したファスティングを行うことで得られる効果とも言えます。

ファスティングのデメリット

不適切なファスティングは、筋肉量の低下、栄養不足、血糖値の急激な変化など、様々なリスクを伴います。

また、断食という行為そのものが、心身にかかる負担が大きいと言われています。よって、ファスティングそのものが合わない人、行わない方が良い人もいるため、リスクの他に万人向けではありません。

特に持病のある方は、ファスティングを行う前に必ず医師に相談し、指示に従ってください。ファスティング中は、体調の変化に注意し、異常を感じたらファスティングの中止を検討してください。

安全にファスティングを行うための3つのポイント

ポイント①：準備期と回復期を設定すること

断食前には、徐々に食事量を減らす準備期間を設け、断食後には、徐々に食事量を増やす回復期を設けることが重要です。準備期は、身体を断食に慣らし、身体への負担を軽減するために必要です。

準備期間中は、野菜や果物、豆類などの消化の良い食品を積極的に摂るようにしましょう。また、ミネラルの摂取が難しい断食に備え、海藻類などのミネラル豊富な食べ物を取り入れ、ミネラルを蓄えることも大事です。

回復期間は、消化器官を徐々に慣らし、リバウンドを防ぐために必要です。回復期間中は、おかゆやスープなどの消化の良い食品から始め、徐々に通常の食事に戻していくようにしましょう。一度に大量の食事を摂ると、消化不良を起こす可能性があるので、注意が必要です。準備期間と回復期間をしっかりと設けることで、安全かつ効果的にファスティングを行うことができます。

ポイント②：糖質・ミネラル・水分補給を行うこと

断食中だからといって、何も口にしないことが正しいわけではありません。

空腹感を感じにくくしたり、筋肉量を減少を防ぐため、最低限糖質を確保することが必要です。そして、体調不良を防ぐためにも塩分などのミネラル補給も忘れずに行いましょう。

また、こまめに水分を補給し、脱水症状を防ぎましょう。水分は、体内の老廃物を排出し、代謝を促進する役割があります。ファスティング中は、食事から水分を摂取できないため、意識的に水分補給を行う必要があります。

脱水症状になると、頭痛、めまい、吐き気などの症状が現れることがあります。これらの症状が現れた場合は、すぐに水分補給を行い、安静にしましょう。重度の脱水症状の場合は、医療機関を受診する必要があります。十分な水分補給は、ファスティング期間中の体調管理に欠かせません。

ポイント③：専門家に相談すること

初めてファスティング行う場合は、専門家（医師や栄養士または、ファスティングの専門家）に相談するのもおすすめです。

専門家への相談は、安全にファスティングを行うための第一歩です。自己流で行うと、健康を害する恐れがあります。専門家のアドバイスを受け、自分に合ったファスティングプランを作成しましょう。また、ファスティング中に体調が悪くなった場合は、すぐに専門家に相談してください。

まとめ：ファスティングは正しい知識を持って行おう

ファスティングは、適切な方法で行えば健康や美容に良い影響を与える可能性がありますが、誤った方法で行うと体に悪影響を及ぼす可能性があります。安全にファスティングを行うためには、専門家のアドバイスを受け、自分の体質や健康状態に合った方法を選びましょう。

ファスティングは、体重減少、デトックス、消化器官の休息など、様々な効果が期待できますが、その効果は個人差がありますので、期待しすぎることにも注意が必要です。また、ファスティングには、リスクも伴います。特に、持病のある方や高齢者は注意が必要です。ファスティングを行う際には、これらのリスクを十分に理解し、対策を講じることが重要です。

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監修者

Yuzu

管理栄養士Yuzu。管理栄養士資格第242047号。 2019年5月に管理栄養士の資格を取得。腸を健康にする美味しい食事を広めるべく、酵素ドリンクRESETで、1万人以上をサポート。 https://reset-fasting.jp/ , https://www.instagram.com/reset_dining/